2008年〔平成20年〕1月10日 木曜日 第427号


長春・陸孝寛吉林工業大学名誉教授逝去

 秦皇島東洋特殊鋼業有限公司董事長助理陸衛平さんの父君陸孝寛吉林工業大学名誉教授が心臓疾患のため1月1日、長春第一汽車附属病院で逝去されました、86歳。陸孝寛さんは在デトロイト中国事務所長や長春第一汽車技術委員会副主任等を歴任、中国自動車産業草分けのリーダーの一人として著名でありました。7日長春市賓儀館で行われた告別式には豊田章一郎氏をはじめ日・米の自動車関係友人多数からの弔電が寄せられました。陸衛平さんは中国冶金工業部派遣の国費研修生として1988年から2年間都祁工場で生活(都祁工場研修1期生)、帰国後長春冷弯型鋼総廠廠長を務めた後、1999年3月、吉林省冶金工業管理局副主任に抜擢され、2006年4月から官職を辞し秦皇島東洋特殊鋼業有限公司で鋼管のロール成形技術・品質管理・事業経営の日中合作方式を模索中です。


都祁研修長春第一次研修生徐彦青さん事故死!

 1月16日、1992年長春冷弯型鋼総廠第二工場副工場長として都祁工場研修(1992年2月〜5月長春第一次研修)に参加、帰国後長春矩形煙管有限公司副工場長として活躍中の徐彦青さん(44歳)が、長春市郊外で乗用車を運転中、大型トラックと事故、死亡の知らせが入りました。帰国後の仕事ぶりが評価され、「労働模範」「五・一栄誉賞」などを受賞、現場技能の中枢として期待されていました。葬儀は17日。東洋特殊鋼業鞄s祁工場から木村・北脇名で、秦皇島東洋特殊鋼業有限公司から陸・柿木・上原名で弔電をお届けしました。

第81回全社研修集会・詳報について
 12月8日開催された第81回全社研修集会では、とーとくサイズ再構築・若返り、新TTKの実質上のスタートにふさわしい重要な発表がそろいました。12月28日には木内研究室代表木内東大名誉教授を囲む「都祁工場班長・機長の懇談会」が、1月12日には都祁事業所長の召集による「都祁工場生産会議」、引き続き品質保証課の「品質管理活動の強化のための全事業所懇談会」も行われています。とーとく情報では、これらの中から以下の報文を「81回研修集会詳報」として文載します。@仲野課長「全社研修集会の歴史」A北脇部長「にんげんだもの」私はこう観たB齋藤部長「とーとくのバブル崩壊期から47期まで」C瀬川部長「こんなところにとーとくサイズ」D中川係長戟E大西班長・奥田班長「ここが違うぞQとK」E社長「とーとくサイズとてんびんの詩F黒松課長「木内先生懇談会」G「生産会議議事録」要旨H品質保証活動の強化」アピール。


全社研修集会の歴史 −81回研修集会詳報−@

第81回全社研修集会の開会挨拶をかねて、仲野品質保証課長はこれまでの研修集会の歴史を整理しました。

ユーザーさんと材料メーカーさんの現場を!

 第1回の研修集会は、17期(1978年10月)だった。年商8億5千万円、社員総数26名の時代で、原子力作業の開始が決り、品質保証・品質管理・QA活動・サークル(小集団)活動などという新しい言葉や理論が飛び交い、吸収と学習の意欲に燃えていた。先ず現場を全員で見ようということで、関電美浜原子力センターが選ばれた。同年11月には都祁工場の技能水準の骨格となる「品質保証マニュアル」が制定された。翌79年には四国電力伊方原子力発電所向けラックサポートを受注納入している。安全確保・事故皆無を徹底するために引き続いて、高浜原子力発電所(82年9月)六ヶ所原燃PRセンター(93年9月)を訪れました。さらに材料メーカーさんの製造現場も見せて頂こうと、日本金属工業活゚浦製造所(79年10月)新日本製鐵椛蝠ェ製鐵所(86年9月)川崎製鉄樺m多製造所(現JFEスチール 89年9月) 新日本製鐵褐製鐵所(90年9月)北海道丸一鋼管(91年11月) 川崎製鉄叶逞t製造所(現JFEスチール 92年9月)住友金属工業釜a歌山製鐵所(95年9月)日鐵建材工業轄L畑製造所(現日鐵住金建材96年9月)JFEスチール叶シ日本製鉄所(06年10月)などを見学した。見学会は更に大規模農業における大型農業機械の利用・開発の現場を、ということで帯広市の東洋農機鰍ノは2回(84年9月・91年11月)訪問している。また日本の鐵の歴史にも触れようと「たたら記念館(島根県80年10月)」「別子銅山記念館(新居浜市81年9月)」「鉄の村 吉田村郷土資料館(島根県88年9月)」にも及んでいた。全社研修集会は品質の造り込みは全員でという考え方を実践しようと食堂のパートさんも含め全員参加を通している。

全員参加・小集団活動で支えよう!

 「ユーザー直結」「最良の材料選び」がモノ造りの原点だと、QCサークル活動の運動も盛んでした。全部署にQCサークルが誕生、改善提案運動も進められました。QCサークル発表会も全社研修集会の一部に組まれて計、31回行われています。第7回81年5月、第9回81年11月、第10回82年5月、第13回83年5月、第16回84年4月、第18回84年12月、第19回85年4月、第21回85年12月、第22回86年5月、第23回86年9月、第24回86年12月、第25回87年5月、第27回87年12月、第28回88年5月、第29回88年9月、第30回88年12月、第31回89年4月、第33回89年12月、第34回90年4月、第37回91年4月、第40回91年11月、第42回92年12月、第45回93年12月、第51回95年12月、第57回97年12月、第60回98年12月、第63回99年12月、第66回00年12月、第69回01年12月、第72回03年3月、第75回04年12月。88年9月には同年5月のサークル優勝チーム「アヒルさん」の齋藤さんに、営業・生産・品証から選ばれた8名がソウルオリンピックの見学旅行が贈られています。オリンピックのバレーボール決勝コートに採用された支柱にとーとくサイズ異形管の見学を兼ねたものでした。 第29期の年商37億円、OEM生産を含め2万5千トン生産達成を最後にバブル崩壊後の厳しい時期が続きましたが第31期から始まった中国事業の業績回復とTTQ再構築活動に力が分散され、再スタートに時間がかかったこと、この期間中QA活動が停止してしまったことへの大きな反省点が残されたことを教訓としています。

中国事業をとーとくサイズ活性化の柱に!

 第31期から始まった中国事業は、多くの学習課題を残しながら様相好転の機を迎えています。総括と展望は期末までにまとめられるそうですが、延べ74名に及ぶ中国研修生の受入と、8月から開始された秦皇島東洋特殊鋼業有限公司での都祁工場機長級による現場技能の交流活動は、中径厚肉異形管や角管の加工技能の向上に資することが少なくありません。87年10月(北京大学考古系・上海交通大学訪問中心)と88年3月(大連析船公司・北京訪問)の二回に分けた全社研修集会の中国開催も中国鋼管業界各企業や中国冷弯型鋼協会とのつながりの強化に貢献しました。

全社研修集会と映画・ビデオについて!

 社内教育の要員がいない。学習の機会がない「学歴」「経験」「性別」を問わず「人まねをしない」。多サイズ・小ロット・高品質をモノ造りの原点にし、常にユーザーさんの現場に密着して用途・用法の開発を心がける集団を作りたい。そういう大きな方向づくりのために、全社研修集会のたびに有意義な映画・ビデオの鑑賞を行ってきました。鑑賞順を無視してタイトルを並べると以下のとおりになります。
映 画 てんびんの詩第一部・第二部・第三部
映 画 にんげんだもの おんなだもの 夫婦だもの
映 画 ムッちゃんの詩 原爆の子 硫黄島からの手紙
映 画 もののけ姫 となりのトトロ
映 画 いっぱいのかけそば
映 画 大地の子(研修旅行移動バス車中)
映 画 愚兄愚弟 大阪ぎらい 人生双六
映 画 呪縛 いまを生きる グラディエーター
ビデオ 神々の履歴書
ビデオ カンカラサンシン
ビデオ NHKプロジェクトX (4回)
ビデオ シルクロード総集編 中国東北の近代 黄河にみどりを
ビデオ 塑性加工のはたらき こころに革命をおこせ
ビデオ 核燃料の魔術 日新製鋼アネックス
 特に挙本映像企画製作による「てんびんの詩」シリーズ6編は、十代続く近江の豪商の後継ぎ教育を語りながら商売の原点が「人の心と心のつながりにある」ことを訴える物語で、83年12月天理観光ホテル会議室で開催の第15回全社研修集会で第一部が鑑賞されて以来、何回となく繰り返されてきたものです。昨年発表された中国語字幕による新版は、TTQ公司の研修会でも全員が鑑賞、現在中国の鋼管企業に回覧されています。


2008年上海国際鋼管工業展覧会・4月10〜12日

 2005年に創設された(9カ国・178企業 参展)第2回(14カ国・254企業)第3回(20カ国・455企業)と続いた上海展が、第4回展を4月10〜12日に開催します。中国鋼鉄工業協会。鋼構造協会等主催。上海国際展覧中心。